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シンガポール進出

2020/10/29

【海外進出を現地に学ぶシリーズ・食品業界編】 Pin Corporation の代表取締役Liew YF氏との対談インタビュー

代表取締役Liew YF氏

背景

  • 1996年、家族事業として事業を開始したPin Corporationの主な事業は、シンガポールにおける冷凍食品の卸売業です。
  • 主にブラジル(70%)、ドイツ、オランダ、デンマーク、スペインそして米国からの冷凍肉製品を取り扱っています。
  • Pin Corporationの事業は、冷凍肉製品の調達からそれら製品の倉庫保管、その後の販売、顧客への配布まで全ての物流チェーンを網羅。

冷蔵室事業

Pin Corporationの完全子会社である「Mandai Link Logistics」は、総貯蔵容量25,000Mt以上、高さ30メートルの冷蔵室を所有。

この施設は、JTC Corporation から土地を入手した後、2006年に建設されました。

冷蔵室には、ヨーロッパの専門家「LTW Intralogistics」によって特別に作られた自動保管・検索システム(ASRS)を装備。

又、社内顧客倉庫システムを導入。顧客が注文を送ると、規定の時間でシステムが自動的に注文された量の商品を検索。顧客は直接商品を受け取る事ができますが、もし必要な交通手段がない場合は、Mandai Link Logisticsがお届けします。

過去数年間をかけて改善した自動化ペーパーレスシステムを使用。

冷蔵室は、自社内の貯蔵目的として使用され、余ったスペースは、顧客に貸出しています。

Pin Corporationは、冷蔵室事業に事業分野を拡大した後、敢えて高利益率製品のみ輸入するという決断をしました。これにより保管している製品量が減り、余ったスペースを貸し出すことができるようになりました。

この広々とした高度先進の冷蔵庫を利用することで、製品の備蓄が可能に。

新型コロナウィルス

シンガポールの鶏卵の25-27%は、ローカル農場から、70%はマレーシアから、残りはその他の国から来ています。

マレーシアだけに頼りすぎないために、シンガポール食品庁(SFA)は、輸入者が鶏卵の第三の輸入相手国(日本、韓国、オーストラリア、ヨーロッパ等)を持つことを奨励。

これらの輸入された鶏卵は、Mandai Link Logisticsが持つシンガポール最大の冷蔵室で低温状態で保存されます。現在、ここでは、シンガポールで最も多い冷蔵鶏卵を貯蔵しています。

結果として、新型コロナウィルスの影響を受けても、シンガポールの鶏卵の供給は安定していました。

労働力

Pin Corporationは、グループ全体で約90人の従業員を雇用。政府の課した外国人労働者の割当に従って、最近シンガポール人労働者を増やしました、

この事業は、寒い冷蔵室で働くという非常に大変な労働を強いられる為、シンガポール人は大概この仕事を好みません。従って、業務が順調に進むよう、追加で従業員を雇わなければなりません。

Mandai Link Logisticsは、この冷蔵室の整備をする社内チームをを設けておりますが、全て外国人労働者です。全員Sパス所持者で、更新がかなり難しい状況です。

この仕事に就いたきっかけは?

Liew氏は学生時代、ドイツで機械工学を学ぶ為、経済開発庁(EDB)から奨学金を受けました。

これは、70年代前半行われていた、外資系企業のシンガポール投資を誘致する取り組みの一環で、こういった企業が設立された後、必要な技術を持ったシンガポール人が働けるようにする事を目的としていました。

卒業後、EDBからの出向でSKF Manufacturingに勤務。

5年後、退社し、East Machinery の営業職に転職。中国への転勤を目的としていました。

その2年後、香港支店へ異動。1987年から1989年までGMとして勤務。

その後1989年、契約終了後、Fagor Automation にヘッドハンティングされました。ここでは、アジア太平洋市場を管轄する代表取締役として勤務。その間、新しい支店を開設する為に台湾、その後支店開発の為、上海、北京、広州へ計2年間滞在。

Pin Corporationの始まり

家族からの要求を受け、1995年、Liew氏は家族事業を助ける為、シンガポールへ帰国。

Pin Corporationは、最初の1年間で 9600万SGDの売上を達成。これは新興事業としては非常に良い結果となりました。

当社は様々な危機(マレーシア・二パウィルス、豚インフルエンザ、鳥インフルエンザ、SARS等)に直面しましたが、ウィルスの影響を受けた人々が、冷凍肉を頼り始めた結果、実際はそれらの恩恵を受けたことになりました。

2003-2004年、純利益は約300万SGD、売上高6000万SGD、利益率は15%となりました。

株式上場を検討した時もありましたが、当時市場が非常に悪く、不況だった為、断念。

その後、UOBに、冷蔵室の建設資金援助を求めました。

顧客層

シンガポールは食糧源を多様化する必要があると、Liew氏は考察します。

Pin Corporationは、レストランやその他食料品店に届けるB2Bビジネス(販売業者、食品製造者もしくは、肉加工者や 二次輸入業者)だけ行っています。

小企業から始めた企業で、その後拡大を続け、当社の競合相手になった顧客もいるとLiew氏は説明。この市場はまだ成長市場なので、これが可能となります。

今後5年間の計画

Liew氏の子供達はこの事業に興味を示していないそうです。

必需品の十分な備蓄を維持しようという政府の取り組みのおかげで、シンガポールにおいてより多くの貯蔵施設の需要が高まると予測し、Mandai Link Logisticsは、冷蔵室の拡大を検討しています。

他社の買収もしくは、提示価格が良ければ買収されることも検討。

日本とのビジネス上のつながり

2012年以降、Liew氏は何度も日本に訪れています。シンガポールへ黒豚の輸入を検討していた為、特に鹿児島へは頻繁に訪問。

輸出業者がシンガポールの農業食品畜産庁(現シンガポール食品庁)の認定申請をする上で、言語の問題でLiew氏が手助けをしなければならなかったと説明。

日本製品は高価で、現在の顧客には相応しくないので、鹿児島の製品だけを輸入する特別部門の設立。

しかし、残念な事に、この事業は成功せず、現在は日本の食製品の輸入は行っていません。

それでも、動物の特別飼料添加物を生産する鹿児島の企業との取引も行いました。Pin Corporationは、その製品の代理店として東マレーシアに販売促進を試みましたが、 反応はあまり良くありませんでした。

鹿児島銀行とは良い関係を持っています。鹿児島製品を海外に販売促進する為には、銀行は重要な役目を負っているいると氏は考えます。

Liew氏は、2005年、Pin Corporation が冷蔵室にASRSシステムを導入しようと専門家を探していた際に出会った日系企業Muratec には感銘を受けました。

日系企業へのメッセージ

Liew氏は、日本の文化や人々の 丁寧な対応が好きで、毎年日本を訪問します。

又、日本人がいかに既存の製品を大幅に改善することができるかに大変感銘を受けました。例えば、黒豚は他国でもみつける事ができます。しかし、日本人だけしかプレミア黒豚を飼育することはできません。

一方、日系企業は、事業をするにあたり、より慎重で保守的な傾向があるとLiew氏は指摘。

Liew氏が送る日系企業へのアドバイスは、海外でビジネスをする上で、英語の知識は非常に重要であるということです。